6/10 羅臼岳の状況

2020年6月12日

床・羅臼は6月という賑わいの季節を迎えております。

初夏の鳥たちがさえずり、エゾハルゼミの声が山中を覆い、
様々な草木の花が開き、沢山の昆虫たちが宙を舞っています。
羅臼温泉登山道も新緑に包まれ心地よい風が吹き抜けるようになりました。
※写真の中にいるキビタキを探してみてね。

【残雪状況】

硫黄の沢が脇を流れる泊場までの登山道はすっかり雪が融けてなくなっております。
登山道脇では場所によって雪解けの早さに差があることもあって
様々な季節の花が見られます。

泊場から屏風岩までは一番歩きにくい状態を迎えております。
残雪はかなり少なくなりましたが、登山道を覆うように残っており、
踏み抜きやすい状態です。通過の際には足元に十分お気を付けください。

屏風岩からお花畑に向かう雪渓。まだ上から下まで残っています。
表層が融け、圧縮された固い雪が露出しておりますので、
通過にはアイゼンとピッケルが必須です。

屏風岩周辺は目印が少なく、視界が悪い時には通過が非常に難しくなる箇所です。
2年ほど前、写真左上の雪渓に進んでしまい、救助される事例も発生しています。

傾斜はこの様な状況です。
かなり高度感を感じる場所になります。

急傾斜を終えてたどり着くお花畑。
まだ大半が雪に覆われていますが、残雪はそこまで厚くなさそうです。
あと1ヶ月もしないうちに数多のお花に彩られることでしょう。

そんなお花畑を後にして皆の休息地、羅臼平へ。
雪はなく、ゆったりとテントも張れる状態です。
※羅臼平周辺では毎年マナーの悪い排泄行為がよく見られます。
※携帯トイレを使用するなど節度を守ってご利用ください。

ハイマツ帯を横切る羅臼平から岩清水分岐へ向かう登山道には残雪はありません。
知床連山方面もかなり雪解けが進んでいるようです。

山頂へ向かう登山道も雪解けが進んでおります。
今回山頂には訪れておりませんが、雪渓が2ヶ所残っていると連絡を受けています。
※登山道を広く覆っている雪渓があり迷い込み注意とのことです。
山頂周辺は強い風が吹いていることが多いので、防寒対策を
忘れずにしていただくとゆっくりと時間を過ごせると思います。

例年お盆の時期まで残雪が残る羅臼温泉登山道。
ご利用される前には周辺施設から情報を収集されることをお勧めします。


!行き過ぎ危険!

残雪が残る屏風岩周辺を下るときはご注意ください。
下り過ぎると大きく登山道を外れ、遭難する怖れがあります。
迷い込み防止用のロープ(写真内赤点線)を、雪渓を横断するように
設置しておりますので、ご利用の際はご確認いただければと思います。
※写真内赤矢印の方向に登山道が続いています。


高山植物も徐々に咲き始めています。

雪田の定番、エゾコザクラ
可憐な大倫の花を咲かすキバナシャクナゲ
足元を敷き詰めるように咲くコメバツガザクラ

羅臼自然保護官事務所 宮奈