羅臼岳登山道(羅臼温泉コース)の様子(5/12)
2020年5月17日
先週、羅臼岳登山道羅臼温泉コースの巡視を行いました。
今回の確認は「登山道上の雪渓の残り具合、泊場や岩清水の水場の確認」を重点に置き、さらに登山道上の倒木処理を実施しました。
【登山道入口から里見台】
・入林箱は現在設置されておりません(例年7月までには設置されています)ので、利用される方は羅臼駐在所に登山計画書の提出をしてください。
・入口から里見台中腹までの区間に雪渓はありませんが、クマザサが立ち始めているため、見通しが悪いです。この場合注意しなければならないことは、ヒグマです。
・見通しの悪い場所は、鈴を鳴らすまたは手を叩くなどヒグマにこちらの存在を知らせましょう。
またヒグマ以外にも気を付けてなければならない生物がこれ
マダニです。体長約3~4mmですが、吸血すると倍以上の大きさにもなります。登山道入口から里見台までの区間で特にマダニの目撃が多く、よく服や体に付着します。当日はフリース内にマダニが侵入していたので、先頭を歩く方は特に注意が必要です。
【里見台からハイマツ原】
・約9割夏道であり、一部雪渓区間はアイゼンなしで行けます。
【第一の壁から第二の壁】
・第一の壁から第二の壁区間の夏道は、約6割以上出ていますが、所々に写真のような雪渓が残っているため、トラバースに注意が必要。
またこの区間は落石にも注意が必要です。
・第二の壁から泊場までの区間の約5割ほどに夏道です。
【泊場から屏風岩、岩清水直登】
・泊場から先は全て雪渓。また傾斜のある区間を歩くため、ピッケルとアイゼン(12本刃)が無ければ、先へ行くことができません。
【岩清水分岐】
・登山道はほぼ出ている
【岩清水】
・氷柱から雪解け水が滴っており、そこから水を確保することができます。例年7月過ぎに岩清水の水場は枯れることが多いです。
植物は、登山道入口から里見台までの間でスミレの仲間やエゾエンゴサクなどの花が咲き、見ごろとなってます。今後、徐々に登山道の中腹から頂上にかけて花が続々と咲いていくことでしょう。
動物についても、鳥たちのさえずりが林内で響き、活動が活発になってきています。
今後も巡視は月に1回行いますので、その都度情報を更新していきたいと思います。
知床財団 茂木