9/18 羅臼湖の状況

2019年9月21日

床峠に立つと上着がほしくなる季節となりました。
大雪山ではすでに初雪が降り、知床も秋本番へと着実に足を進めています。

まだ周辺の木々は色付いておりませんが、足下はすでに草紅葉が見頃を向かせています。
風景は見応えがあるものとなって参りましたが、お花事情は花畑をつくっていたウメバチソウも終わり、 エゾリンドウが点々と咲く程度となっています。

そんなときは視点を変えていつも見ていない生きものに目を向けることをお勧めします。
足下を染める色付いた草本の更に下で真っ赤に色付くムラサキミズゴケ。
顔をグイッと近付ければ真紅の秋を感じることができます。

背の高い植物が枯れて見えてきたのがこちら。
タカネマンネンスギと呼ばれるヒカゲノカズラ科の植物です。
ツクシのような胞子を散布する穂を、力強く空へと突き立てていました。

いつもは花々に目がいきがちで、見えていないのではないでしょうか。
ミヤマワラビをはじめ、様々なシダ植物が足下を今も緑色で覆っていますよ。

秋が深まり風景がより見応えのあるものとなるこの季節。
日に日に変わるその姿をいつもと違う視点を持って覗いてみては如何でしょうか。

確認した生物は以下の通りです(植物は開花している種のみ記載しています)。

植 物:エゾリンドウ、ウメバチソウ、ナガボノシロワレモコウ、ミミコウモリ
鳥 類:ミヤマカケス
両生類:ニホンアマガエル
哺乳類:ヒグマ、エゾシカ、キタキツネ

ニホンアマガエルが元気に動ける期間も残り1ヶ月を切ったといったところでしょうか。

羅臼自然保護官事務所 宮奈