知床の奥山へ
2018年8月31日
皆さん、遠音別岳(オンネベツダケ)をご存知ですか。地図で見ると知床半島の基部側に位置する標高1330mの山です。羅臼側では峠茶屋周辺から、ウトロ側では知床五湖等から鋭く突き出た山頂が見られます。
日本に5箇所しかない原生自然環境保全地域の一つに鎮座しているこの山は、山頂周辺に人の手がほとんど入っていない自然が残されています(山頂に一等三角点がありますので全く人が入っていないわけではありません)。観光客で賑わう知床の夏でもここでは静かな時間が流れています。
そんな素晴らしいところですが、人の手が入っていないということは当然そこに向かうことが容易ではないということになります。川越え滝越え岩壁越えてと、自然が作り出す数多の障壁を乗り越えなければなりません。
そうして苦労をしながら歩む中で見かけた景観は、これからも残っていってほしいと願わずにはいられないものでした。(写真中央奥の雲に挟まれた山はラサウヌプリです。)
人の欲が先走ることなく、これからもこうした景観、それを作り出す自然が残っていくことを願うばかりです。
羅臼自然保護官事務所 宮奈