知床岬までの状況(6月21日~23日)
2016年6月27日
環境省羅臼自然保護官事務所では毎年6月後半頃に相泊から知床岬まで海岸線の巡視を行い、高巻き等の難所の状況やヒグマの出没状況の確認を2泊3日の行程で行っています。
昨年の巡視と比較して変化が顕著に確認されたのが、モイレウシ高巻き周辺です。
この周辺では海岸線の崩壊が進行しており、ルートの状況が大きく変化していました。
上は斜面から落ちてきたと思われる岩がそれより大きな岩に乗っている写真ですが、いつ落下するか分からない状況で大変危険です。
こちらは岩が乗っている写真のすぐ真下の状況です。
左は昨年の写真ですが、岬側から戻ってくる場合に足をかける岩の間隔が広がっており特に身長の低い人は乗り上げる際に補助が必要に思われました。
モイレウシ高巻きの相泊側にも変化があり、昨年度に比べて登りづらくなっていました。
(左は昨年、右は今年の写真ですが高巻き下部の植生の生えていた斜面がむき出しになっており足をかけづらくなっています。)
トッカリ瀬~剣岩までの潮間帯は今回潮位の予想が的確で水に触れずに通過することができました。
潮が高いと通過できなくなるので事前に潮位を調べておきトレッキングの行程を潮目に合わせる必要があります。
今回は3日間で10頭のヒグマを確認しました。
声を出しても逃げない個体や突然藪から出てくる個体など様々でしたが、
先端部でのヒグマとの遭遇率は相変わらずでした。
知床岬までは山小屋等の施設も設置していないことからテントやヒグマ対策用のフードコンテナ、崖地通過用のザイル・ハーネス等を通常のトレッキング装備に加えて携行しなければならず荷物も重くなります。
その状態で往復40kmのほとんど土がない岩だらけの浜を歩き疲労している状態で急斜面の崖の通過や、ヒグマの対処をしなくてはなりません。
先端部の利用についてはシレココ(環境省HP)やルサフィールドハウスで情報発信やレクチャーを行っております。
詳細についてはそちらをご利用下さい。
環境省 羅臼自然保護官事務所 高橋